日本の伝統工芸を、ふだんの暮らしに取り入れてほしい。ヤブシタの和モダンN6北円山は、その想いから生まれたショールームです。各地の伝統工芸品を集め、展示しながら販売しています。品々に込められた職人の想いを、どうすれば見る人に届けられるか。空間づくりはそこから始まりました。
この空間の主役は、あくまで工芸品です。展示のテーマごとに設えを少しずつ変えながらも、全体はひとつの景色としてまとめることにしました。もうひとつ考えたのが、伝統の手仕事といまの技術を並べることです。相反するように見えるふたつが隣り合うと、手仕事の奥深さがかえってよく見えてきます。
照明は品々にだけ光が当たるように計画し、光と影のコントラストで和の空気をつくりました。柱の行灯には、レーザーで加工した組子細工を使っています。伝統の文様を受け継ぎながら、いまの技術でかたちにしたものです。そのそばに並ぶのは、職人の手による品々です。行灯の組子と見比べることで、手仕事ならではの深みがよりはっきり伝わります。
2024年5月、和モダンN6北円山は開設しました。大切に守り続けるものと、新しい技術で磨き続けるもの。私たちは、そのふたつが共存することで伝統の技は受け継がれ発展していくと考えています。このショールームは、その姿をひとつの空間で見せる場所になりました。