札幌の都心で、47都道府県のご当地の味を週替わりの定食で出す店をはじめたい。オーナーからそんな構想を聞きました。日本各地のおいしいものを白いご飯と一緒に楽しむ店です。主なお客様は近くで働く女性になると見込んでいました。ひとりでも気軽に入れる店にしてほしいというのが、いちばんの要望でした。
ひとりで定食を食べるとき、隣の視線は気になるものです。かといって壁で仕切れば、店は狭く重たくなってしまいます。明るさを保ったまま、席と席のあいだにほどよい距離をつくれないか。私たちは、仕切りそのものを店の装飾であり、象徴にできないかと考えました。
店内は白を基調にして、天井からグラデーションに染めた布を垂らしました。布は席と席をやわらかく分け、同時に店の景色にもなります。壁には、かたちも大きさも違う皿を並べて日本列島を描きました。ロゴは、おいしいものを食べて笑う顔です。笑った口を器に見立て、そこにnicoの4文字をのせています。
メニューは毎週変わります。皿でつくった日本列島を眺めながら、今週の県を探すのも楽しみのひとつです。店の名前のとおり、食べた人がにこっと笑って帰る。そんな昼の食卓になることを願ってつくりました。