札幌のミニ大通に面したテナントで、パンケーキのカフェをひらく計画でした。オーナーはSNSで発信を続けている方で、店のイメージをはっきり持っていました。クラシカルで少し古びた雰囲気にしたい。お気に入りの皿を撮ったとき、背景に写る店まで絵になるようにしたい。若いお客様が写真を撮って投稿したくなる店が目標でした。
物件は以前ケーキ店だった居抜きで、大きな扉が残っていました。オーナーはその店の雰囲気を気に入っていて、扉もそのまま使いたいと考えていました。それなら新しくつくりこむより、いまあるものを生かしたほうがいい。私たちは、古びた味わいは足すよりも残すほうが自然に出ると考えています。
壁はもとの下地を生かし、職人にムラの出る塗り方を頼んで年季のある質感にしました。色は落ち着いたものを選んでいます。床は塩ビタイルをはがした跡をそのまま使い、モルタルで仕上げ直しました。そこにアンティークの家具と建具を合わせ、全体はシンプルにまとめています。
できあがった店は、新しいのにどこか懐かしさがあります。開店後は、内装がかわいいと写真を撮っていくお客様が多いとオーナーから聞きました。窓の外には、季節ごとに色を変えるミニ大通の並木があります。