aile cafeはマンションの最上階にあたる9階にあります。窓の外には札幌の街並みが広がり、カフェとしては珍しい立地です。allee cafeのオーナーからの紹介で、この店の空間デザインを担当しました。居抜きのテナントをどう変えれば、この眺めを店のいちばんの魅力にできるか。そこから考えはじめました。
カフェは明るくつくるのが一般的です。けれどもこの店は、夜に訪れた人がゆっくりくつろぐ場所になります。それなら店内は思いきって暗くしたほうが、夜の街並みも手元の料理も引き立ちます。私たちは暗さも居心地をつくる素材のひとつだと考えています。
ふつうはテーブルの真上と通路の両方に照明を置きます。この店では通路の照明をなくし、テーブルの真上だけを照らしました。料理がきれいに見えて、その席だけの特別な時間が生まれます。壁は黒く塗り、エイジングを施して光の反射を抑えました。
約1か月をかけて、居抜きのテナントは落ち着きのある店に変わりました。店内にはジャズが流れ、窓の外には札幌の夜の街並みが広がっています。カフェでありながら、バーのように優雅な時間を過ごせる店です。街の灯りを眺めに、何度でも上がってきたくなる場所であってほしいと願っています。