カフェのような空間にクライアントを招いて、寛ぎながら会計の話をする。さっぽろマーチ会計が希望されたのは、そのような事務所でした。ただしここは、日々のデスクワークをする執務スペースでもあります。ひとつづきの空間をどう区切り、仕事と打合せの切り替えをどうつくるか。これが今回の課題でした。
まず床材を張り分けて、デスクワークのゾーンとミーティングのゾーンを明快に区切りました。床はじっくり目で追うものではありませんが、足もとの色がゾーンごとに切り替わることで、気持ちの切り替えはしやすくなると考えました。境界には、低くて見通しのきく家具を置いています。目線は開放的なまま、デスクワークのゾーンは立ち入らない場所だと自然に伝わるようにしました。
空間全体としては統一感をもたせながら、ゾーンごとに配色を変えました。デスクワークのゾーンはモノトーンを基調にして落ち着きを、ミーティングのゾーンはナチュラルな色合いで朗らかに会話ができるように、全体のバランスを整えています。ひとつの空間でありながら、それぞれのゾーンの役割がはっきりと伝わります。
クライアントが来ると、たくさん色々な話をしてくれるそうです。寛げる雰囲気だからこそ、聞き出した以上のことや、これからの施策まで前向きに話せるのでしょう。会議テーブルで対面する緊張感よりも、空間によって緊張がやわらぐこと。それが、お互いにとってよい関係を築く第一歩になるのかもしれません。