小樽のルタオが、新しいブランド「DANI LeTAO」を立ち上げました。扱う商品は、フロマージュデニッシュのひと品だけです。店は既存の店舗を改修してつくります。観光シーズンには、小さな店の前にお客様があふれます。大勢のお客様を、限られた広さの中でどう迎えるか。それがこの店の課題でした。
商品がひとつなら、売り方はとても単純になります。注文を受けて、包んで、渡すだけです。ただ、そのぶん接客は会計だけのやりとりになりがちです。私たちは、どれほど小さな店でも、お客様とつながる場面をひとつはつくるべきだと考えています。動きやすさを整えながら、どこでお客様の心を動かすかを考えました。
もとの店のデザインは、できるだけ生かしています。手を入れたのは、お客様の流れとスタッフの動きです。そのうえで、狭かった入口の場所を変更し、入口の正面にオープン厨房を置きました。デニッシュが焼き上がる様子を、並んで待つお客様が間近で見られます。焼きたての香りと手元の動きが、言葉を交わさなくても店の思いを伝えます。店全体は、明るく軽やかにまとめました。
ひと品だけの店は、混み合う時期ほど待ち時間が長くなります。目の前で焼き上がるデニッシュが、その時間を楽しみに変えてくれます。お客様にも販売スタッフにも動きやすい、小さな店になりました。