北海道換気は、換気設備や冷暖房設備を扱う商社です。設立50周年を迎え、社屋を建て替えることになりました。仕事は営業部と施工部が組んで進めます。元のオフィスでは、2つの部署がひとつの部屋で働いていました。新しいオフィスでは部屋を分けたい。けれど、部署どうしの風通しは悪くしたくない。それが依頼の中身でした。
部屋を分ければ、部署をまたぐ会話は自然と減っていきます。空気の流れを扱う会社なら、働く場所の風通しもよくありたい。私たちは、仕切りの選び方ひとつで人の行き来は変わると考えています。目指したのは「風通しのよい、自然な雰囲気」の職場でした。建物の設計はヤブシタ総合設計が担い、私たちは内装と家具を受け持ちました。
2つの部署の境目には、壁ではなく背の抜けた本棚を置きました。部屋は分かれていても、隣の部署の様子が目に入ります。空間の中央には、休憩や情報交換、短い打ち合わせに使える場所をつくりました。湾曲したハイカウンターのテーブルを置き、部署に関係なく人が立ち寄れる動線にしています。全体は落ち着いた木目でまとめ、会議室には発言が弾むようオレンジや緑を差しました。
壁で閉じなかったことで、部署のあいだに目線と会話が行き交うようになりました。オフィスの真ん中の場所は、次の50年に向けて部署をこえて人が集まる場所です。