札幌の森彦が直営で手がける、もうひとつのブランドが「JBx」です。「森彦が文化なら、JBはファッション」。オーナーのこの言葉が、店づくりの出発点になりました。店内に焙煎機を置き、IoTを取り入れた新しいコーヒーを森彦とはまるで違う軽やかさで見せる。それがこの店の役目でした。
焙煎機とIoTがつくる新しいコーヒーは、どこか実験室のような顔をしています。それを難しそうに見せるのではなく、ファッションのように気軽に楽しんでもらいたい。そこで店全体を、ラボのように白く潔い佇まいにまとめることにしました。ファッションとラボは、一見すると相反するものです。けれど私たちは、相反するものが出会うところから新しい流れが生まれると考えています。
白い空間に置いたのは、三次曲線に曲げた金属の什器です。硬く冷たい素材が、やわらかな曲線を描いてお客様を迎えます。その什器のすき間には、LEDの光でXの文字が浮かびあがります。JBxの「X」は、コーヒーとテクノロジーのかけ合わせを表すアイコンです。店の空間もその一部を担えるように、金属の曲線と光でデザインしました。
2025年5月に開店すると、お客様から「隅々に森彦を感じる」という声が届きました。見た目はまるで違うのに、根っこはちゃんとつながっている。森彦と分けるためのデザインが、かえって森彦らしさを伝えていたのです。