小樽運河のほとりには、明治から残る小樽軟石の倉庫が建っています。小樽市のプロポーザルを経て、この倉庫をルタオの店に生まれ変わらせることになりました。改装するのはふたつの倉庫で、開店までに使える時間は3か月です。しかもそこには、ルタオにとってはじめてのBARを設けることになっていました。
ルタオのロゴには「Nostalgic Modern」という言葉が添えられています。古い石の倉庫は、この言葉をかたちにするのにうってつけの舞台でした。ノスタルジックな質感をモダンな細部で見せ、モダンな質感はノスタルジックな細部で見せる。お酒と料理を合わせるように、倉庫とルタオを組み合わせることにしました。
BARを設けた棟には、フリースペースとソフトクリームなどをその場で味わえる売り場も並びます。お酒を楽しむ落ち着きと、スイーツを楽しむ明るさのどちらにもなじむ設えにしました。どちらを目当てに訪れても、同じ倉庫で心地よい時間を過ごせます。企画から設計と施工までを一貫して担当し、3か月で開店まで走り抜けました。
2024年9月、ふたつの倉庫はルタオの店として開店しました。考える時間が短いことは、この仕事の弱みになりませんでした。ケイシイシイとは10年ほど信頼を重ね、ルタオというブランドを深く知っていたからです。私たちは、クライアントに伴走し続けることがいざというときの速さになると考えています。