ちゃんこ鍋のぽんぽこ亭は、長く常連に支えられてきた店です。お客様の多くは会社員で、オーナーにはこれからは女性にも来てほしいという想いがありました。ただ店の中は照明が薄暗く、半個室を仕切るカーテンもグレーで、全体に重い印象です。通路の両側にカーテンが並ぶため奥が見通せず、すれ違うのも窮屈でした。
半個室で鍋を囲むスタイルは、この店の良さとして残したいという希望がありました。問題は仕切りそのものではなく、仕切りが店を閉じて見せていることです。私たちは、隠すことと見せることの加減で居心地は変わると考えています。仕切りを残したまま、店の広がりが感じられるつくりを探りました。
店全体の色を白でそろえ、半個室のカーテンはレースに替えました。中の様子がすっかり隠れるのではなく、人の気配がほんのり伝わる仕切りです。レース越しに奥まで見えるので、店に入った瞬間に広がりが感じられます。あわせて通路を2つに分け、お客様とスタッフの動線を別々にしたので、お手洗いに立つときも料理を運ぶスタッフと正面ですれ違うことがありません。
改装後に訪れたお客様からは「入りやすい空間になりましたね」「内装を見て驚きました」という声が届きました。女性のお客様も増えたそうです。長く通う常連はそのままに、新しいお客様も迎えられる店になりました。